2016年5月3日火曜日

【涙腺崩壊】故郷から旅立つ我が子へ、両親からの卒業式サプライズが泣ける。「思い出してほしい わたしたちがいることを」

卒業式

 

冬に別れを告げる季節、子どもたちは巣立ちのときを迎えます。

 

特に地方では、高校を卒業すると同時に多くの子どもたちが親元を離れ、進学や就職のため都会へ旅立っていきます。

 

だから、卒業式への感慨もひとしお。

 

我が子の成長は、本当は喜ぶべきものなのに、なんだか切ない

親たちは、大きくなった子どもの後姿を見ながら、決して言葉にはしない複雑な思いを抱いていることでしょう。

 

そして、親の複雑な思いに気づかないまま、故郷を離れる子もいることでしょう。

 

卒業生が後ろを振り返る

 

 

「いつでも待っている。がんばれ」

 

3月3日、とある高校の卒業式で、親から子へ、そんなエールがに乗せて贈られました。

舞台となったのは、福井県立大野高等学校。創立から110年を超える歴史ある高校です。


 

卒業式が始まり、緊張した面持ちで入場してくる卒業生たち。

彼ら、彼女たちは、この後に何が起こるか知る由もありません。

卒業証書の授与も終わり、式典は滞りなく進んでいきます。

いよいよ卒業式も終盤。『仰げば尊し』と校歌を続けて斉唱し、無事に幕を閉じようとしていた・・・

そのときです。

 

卒業生のみなさんは、後ろを向いてください

 

 

アナウンスが会場に響きました。

卒業生たちが振り返ると、そこには親たちが懸命に歌を練習している風景が。

 

 

驚きでざわつく卒業生たち。そこに、こんなメッセージが映し出されました。

 

 

すると、メロディーが流れ、親たちが歌い始めます。

 

その歌は『大野へかえろう』。

「広い世界を知って夢をかなえたら、いつかは故郷・大野に帰ってきてほしい」。

言葉にできない親心が込められた歌です。

大野へかえろう

『夢を追い

友と出会い

恋をして

大きくなれ

時には

思い出してほしい

わたしたちがいることを

 

大野へかえろう

 

言い出せないから歌にする』

 

声を震わせ、涙を目にいっぱい浮かべながら、精一杯、歌う親たち。

 

子供たちは親の心を歌で知る

 

その歌声を、表情を、しっかりと胸に焼き付けるかのように、親に向き合い、耳をすませる子どもたち。

 

普段は交わされない両者の思いが見事にシンクロした瞬間を垣間見ました。

 

歌が終わると、割れんばかりの拍手が会場中を包み込み、中でも、卒業生たちが一番大きく、そして、長く、拍手をしていたのが印象的でした。

 

卒業生は歌を聴いて

 

 

「大野のことを忘れないでいてほしい」

「帰ってきてほしいなんて口には出せないけど、やっぱり帰ってきてほしい」

 

そんな親たちの願いは確かに伝わったのでしょう。

 

「私は大野に残りますが、この歌を聴いてみんなに戻って来てほしい」

「親に感謝したい。大好きな大野にいつか戻ってきたいです」

 

このように話す卒業生がたくさんいました。

 

新しいUターン施策

 

卒業式で、親たちが披露した歌『大野へかえろう』は、人口減少に悩む福井県大野市のUターン施策として誕生しました。

地方創生プロジェクトの一環です。

歌詞は、作詞担当の日下慶太さんが多くの大野市民の方々に会い、意見交換を重ねた上で、その声を取りまとめました。

卒業生の親だけではなく、大野市で暮らす市民の方々の想いが見事に反映されています。

都市部への人口集中は今に始まったことではなく、昨今の少子化もあいまって、地方の過疎化は深刻を極めています。

そんな中、地方創生は国の最重要課題と位置付けられていますが、地方の町にとって、Uターン施策を打ち出すことは、まさに急務と言えるでしょう。

もちろん、子育て支援などの暮らしの支援策を整備・拡充することも必要です。

しかし、それだけでは、いわゆる「マネーゲーム」の様相にもなりかねず、地方の町が大都市と張り合うことは現実的に厳しいものがあります。

けれども、人が生きる場所を選ぶとき、何も経済的な損得だけで決まるわけではありません。

その選択には、目には見えない要因も必ず影響を与えます。

 

「いつかは大好きな故郷に帰ろう」

 

郷土愛の源泉となる故郷のDNAを、いかに子どもたちの心に植えつけ、育んでいくか。

このような取り組みこそ、地方創生に求められているのではないでしょうか。

 

『大野へかえろう』は、こんな一節で締めくくられています。


 

『広い世界に出るといい

 

いつでも大野は待っているから』

 

福井県立大野高等学校の卒業生たちは、雄大な自然の風景とともに、この歌を思い出し、都会の荒波を乗り越え、いつか故郷に帰ってくることでしょう。そんな気がしました。

 

 

▼動画

 

http://www.return-to-ono.jp/

 

 

 

 

 

参照元:http://spotlight-media.jp/article/254851786003487896

 

 

 

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